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高齢者の誤嚥性肺炎について~精神科でも多い~

食事ケア

はいどーも!!

精神科看護師のささやんです(^^♪

今回は誤嚥性肺炎を繰り返すケースについてです。

高齢者に多い誤嚥性肺炎ですが、精神科に勤めていると認知症の患者さんも多く入院しており、誤嚥性肺炎を繰り返す人も少なくないと思います(´;ω;`)

特徴や原因はどういったものがあるのか・・・

今回は特に高齢者の誤嚥性肺炎に着目して解説していきたいと思います。

食事ケアに関しては前回の記事も参考にしてください( *´艸`)

誤嚥性肺炎の要因

前回の記事では、誤嚥と誤嚥性肺炎の関係について触れましたが、今回は誤嚥性肺炎の特徴についてです。

誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。

一般社団法人日本呼吸器学会HPより https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=11

それでは細菌が気道や肺に流入する経路は何か?

①口腔や咽頭内容物の誤嚥

接触・嚥下障害、咳反射低下による印書奥物の誤嚥

②胃逆流物による誤嚥

胃食道逆流物および咳反射低下による胃逆流物の誤嚥

③細菌侵入(口腔や咽頭から)

※細菌性肺炎も含む

④細菌への抵抗力の低下

これらが単独かもしくは複合的におこり誤嚥性肺炎を引き起こす。

誤嚥性肺炎の予防には?

それでは予防にはどんな対応があるのか。

5つ紹介します。

①摂食嚥下訓練を行う

②口腔ケアを行う

③咳反射を改善させる

④胃逆流物に対する治療や対応を行う

・胃逆流物の原因への治療や食後の姿勢の工夫

⑤身体の抵抗力を上げる

何が原因かをしっかりと把握し、対処することで誤嚥性肺炎を防ぐことが出来きます。

治療は原因となる細菌を殺す抗生剤での治療となるが、誤嚥を繰り返すことで、耐性菌が発生してしまうので治療困難になることもある(;ω;`)

高齢者の「食べる」を脅かす要因は何??

①高齢期に見られる嚥下機能の低下

・食欲/意識/注意力/集中力の生理的低下

・認知機能の低下

・口腔や咽頭の触覚、味覚、温度覚などの感覚の低下

・歯の欠損、口腔内の狭小化

・口唇や顎、舌、咽頭などの運動機能の低下

・唾液の分泌低下

などがあげられます。

②薬が及ぼす影響

・抗精神薬、抗不安薬、睡眠薬、抗けいれん薬などは覚醒レベルの低下を招くため誤嚥を招く

・利尿剤や三環形抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、抗精神薬などは口腔内の乾燥をきたし、味覚低下や咀嚼への影響もある。

・抗コリン薬、三環形抗うつ薬、Ca拮抗薬などは咽頭欣男収縮力低下をまねく

・抗精神薬などはジスキネジア等、不随意運動の出現させることもある

等々、薬は嚥下機能を低下させることが多いので要注意です。

③摂食嚥下障害をきたす疾患

・脳血管障害

・咽頭、喉頭癌など

・神経筋疾患(パーキンソン、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など)

・認知症

・フレイルティ:虚弱→体重減少、主観的疲労、ADLの低下、身体能力の減弱、筋力の低下のうち三つが該当すればフレイルティ

・サルコペニア:加齢に伴う筋肉量、筋力の減少

精神科だと認知症患者が多く、行動・心理症状(BPSD)の対応に抗精神薬を使用したり、睡眠薬の使用も行っていきます。

一般科でも認知症だと鎮静をかけるケースが珍しくありません。

高齢+薬の影響もありさらに認知症も加わることで誤嚥性肺炎のリスクはぐっと高まります!!

安易な薬剤の使用をしないことが重要だということですね。

加齢による嚥下障害の特徴

①口腔内の加齢変化

舌に関しては舌圧の生理的な低下はないと言われている。

しかし、舌や頬の協調性は低下があり、食塊形成が不十分になってしまうことや、食塊の送り込みと咽頭機能のタイミングが合わず、誤嚥や窒息のリスクがある。

また、唾液腺の委縮は見られるも、影響はない。

疾病や薬剤、脱水などによって唾液分泌は減少し、食物移送に影響を及ぼす。

口腔内乾燥している高齢者は多くみられています。唾液腺の異常よりかは、まず、脱水などを疑ってみましょう。

②高齢者の喉頭の下降

70歳を過ぎると安静時の喉頭下降が顕著になってくる。若年者は第5頸椎ほどだが、高齢期では第7頸椎まで下降が見られている。

その結果、咽頭腔は拡大し咽頭内に食残が残留しやすくなる

また喉頭の下降により喉頭を挙上させるのに時間がかかるため、喉頭侵入の頻度が増えてしまう。

とにかく高齢者は咽頭の機能も低下しているため、誤嚥しやすいのは明らかです。

誤嚥はするがどこの機能に異常があるのかを発見することで対処につながります!!

まとめ(治らぬ運命に寄り添う)

75歳を超えれば誰でも生理的に誤嚥性肺炎を起こしやすくなります

病院行けば元気になることもあるでしょう。

しかし、また誤嚥性肺炎になり、病院へ行く。

こうして誤嚥性肺炎を繰り返して、次第に病院で回復しづらくなっていきます。

そうして最後には帰らぬ人となります。

食べても食べなくても誤嚥は起こります。

重要なのは最大限「予防」と「機能の回復、取り戻し」に力を入れていくことだと思います。

それでも、誤嚥性肺炎を繰り返してしまいます。

家族やスタッフ、本人は、経過を見ながら、最後は帰らぬ人となるのを受け入れることが重要なのかもしれませんね(´;ω;`)

ということで高齢者における誤嚥性肺炎の特徴でした!!

高齢者の誤嚥性肺炎は繰り返してしまうケースが多くあったため、解説しましたが、結局は生理的な機能の低下であり、最後を受け入れる心構えも必要になってくるんですね。

次回はそんな看取り期にダメと分かっていてもだべさせてあげたいケースについて解説していきます。

ありがとうございました<(_ _)>

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