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【簡単解説】高齢者の薬物療法で失敗しないために知っておくべき考え方

精神科看護

はいどーも(^^)/

精神看護師のささやんです。

精神科に勤めて10年になりますが、高齢者への薬の使い方って難しいですよね(´;ω;`)

長年精神科で勤めてきていますが、入院患者も高齢化してきており、今や自分の入院病棟でも平均年齢がかなり高めになっています。

そんな中で対応や薬の使い方に困った経験は幾度となくしてきました・・・

そこで、この記事では

高齢者に精神薬を使ったら効きすぎたり、全然効かなかったりするのはなんでだろう・・・?

高齢者へ薬を使うときの注意点ってなんだろう?

と言った 高齢者への薬を使うときの注意点や過鎮静になった時の対応、

そもそも高齢者に薬が効きやすいのはなんでだろう?といった悩みを解決できたらと思います。

知識がなかったり、対応の仕方が分からないままだと、重大な事故にも繋がりかねません(´;ω;`)

そこで精神科に勤めて10年以上、認知症治療病棟でも5年以上働いた経験のある精神科看護師の自分が実体験を交えて 解説していきます(^^)/

まず、高齢者へ薬物療法を行う際はどのような薬を選択するにしろ、吸収、代謝、排泄などすべての機能が低下しています。

その点を考慮して注意しながら投与することが重要になってきます。

知識を持った目での「観察」は治療効果を上げ、様々な問題の予防を実現します!!

自分のバイブルである「精神科の薬がわかる本」を読んだ結果、かなりわかりやすく書かれていたので実体験を交えて解説していこうかと思います。

高齢者へ薬を使用する前に知っておくべきこと

老年期になると一般的にすべての臓器の機能が低下します。

高齢者に薬剤を投与しても吸収力が低下しているため、投与した量に比べて効果が低くなりがちです。

消化器の蠕動運動の低下から摂取したものが腸管内に滞る時間が長くなります。

よく、便から錠剤のまま排出された薬を発見して報告した覚えがあります。

吸収力が落ちている状態でも長時間腸管内にあれば、想定以上に吸収されてしまうこともあり、

オーバードーズ状態になってしまいます。

向精神薬は副作用で便秘となるものが多く、腸管内に滞る時間はさらに長くなり、

ついには過鎮静や悪性症候群を引き起こす可能性があります。

老年期の代謝能力の低下も重大な危険性があります。

服用した薬剤の代謝が遅くなると、薬剤の「使い残し」が蓄積していきます。

さらに排泄能力の低下があると、ある日突然処方変更していないのにも関わらず、

副作用などが発現する可能性があります。

よく「溜まってきてる」なんて言い方もしますね。

これは代謝や排泄能力の低下によるものなのです。

突然の副作用などは蓄積された薬剤が原因で起きているのですぐに処方を中止しても改善がみられるまで相当な時間を要します。

そこで焦って副作用への対処をするとかえって問題が複雑になることがあります。

状態をよく観察して、必要時は点滴や解毒を中心に対処していきます。

高齢者の生活を支えるために覚えておきたい「観察」の考え方

観察するということは寄り添うことです。

もちろん、入院中の生活リズムや水分摂取状況、尿量、尿正常、排便の間隔など観察することはたくさんあります。

しかし、観察だけではケアとしては今一つです。

寄り添うことで、ほとんど記憶することが出来なくなった認知症の方でも普段そばにいる人たちが、

気分穏やかに、優しく、何事も焦らず接することによって感情の表現に大きな改善がみられるケースをたくさん見てきました。

記銘力の低下し短い時間で忘れてしまうかもしれないどんな小さいことでも

その時の患者さんの困惑や不安を解消してあげることは最大のサポートとなります

「そばで観察すること、病気や症状だけでなく生活に寄り添った観察をすること」

が最大のサポートとなることを知っておいてください!!

まとめ

老年期、特に認知症の患者さんにはBPSDの対処としてよく頓服を使用する方もいるかもしれません。

しかし、代謝や排泄能力の低下でも薬は「溜まって」いきます。

レビー小体型認知症の患者などは、薬が効きやすく、さらに過鎮静のリスクを高めます。

高齢者は一度過鎮静になると復活するのが遅く、その間に筋力の低下がみられ、入院しているのにADLが低下した・・・

となっては、何をしに入院してきたんだろう・・・となりかねません。

状態の変化に家族が戸惑うことも予測されます。

自分たちの病院を信じて入院させてくれた家族へ対しても説明しにくいですよね(´;ω;`)

老年期に薬剤を使用する際は、いつも以上に気を付けて、老年期の特徴を押さえてから与薬していきたいものです。

そして一番近くで観察しているナースが普段の状態を記録にしっかり残すことで治療の一助になります!!

不調ではないときの記録があるおかげで、どの時間にどのような変化があったのかが分かりく薬剤調整する際の基準になります。

記録はしっかり残しておきましょう!!

精神科の薬が分かってくると、医師の知りたい観察項目や、薬の副作用、副作用が出現したときの対応など様々なことに対応できるようになります。

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以上

ありがとうございました<(_ _)>

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