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最終目標?!せん妄予防のケア

精神科看護

はいどーも(^^)/

精神科看護師のささやんです。

本日はせん妄ケアの最終段階として、予防をメインに解説していきます。

治療については前回の記事を参照してくださいね(^^)/

前回解説しましたが、せん妄の発症予防でエビデンスがあり、ガイドラインで推奨されているのは、早期離床や音楽療法などの非薬物療法だけになります。

せん妄の発症率を低下させたり、せん妄の期間を短縮できる薬剤については有効なデータがないのが現状です。

では具体的には何を行うのか??

せん妄リスクのある薬剤は投与しない

せん妄の原因は多因子なので、原因の一つである薬剤を中止すれば、せん妄の発症を防げる可能性があります。

せん妄の原因となる主な薬剤

抗ヒスタミン薬:・ポララミン、アタラックス-Pなど

頻尿・過活動膀胱治療薬: ベシケアなど、

ベンゾジアゼピン系薬剤:ジアゼパム(ホリゾン)、ブロチゾラム(レンドルミン)

             アルプラゾラム(コントミン、ソラナックス)など

H2受容体拮抗薬:ファモチジン(がスター)など

オピオイド:モルヒネ(MSツワイスロン、オプソなど)

三環系抗うつ薬:アナフラニール、トリプタノールなど

ただ、せん妄のリスクとなる薬剤をすべて中止できるわけではありません

患者の状態に応じて対応が異なるためケースバイケースです。

たとえば高齢者で、認知症が既往にあり、夕薬にガスター、VDSにブロチゾラムを内服している患者。

ベンゾジアゼピン系薬剤と胃薬ですがH2ブロッカーなので、せん妄を引き起こすリスクがありますので代替できるものがあれば代替したほうがいいかもしれません。

しかし、30代で胃潰瘍の既往がありファモチジンを内服している患者は、若年である事や既往にせん妄のリスクとなるものがないため積極的に薬剤の変更をしなくてもいいと考える。

全身状態の安定を目指す

次に、せん妄予防には全身状態の管理が必要になります。

生理的な問題と関係しています。

低酸素血症や電解質異常がせん妄を引き起こすリスク因子です。

低酸素血症により意識障害がせん妄の原因ではないか?とアセスメントすることができ、酸素化をが改善されれば、せん妄を改善、もしくは予防できるかもしれないのです。

他にも、疼痛や倦怠感による疾患・病態や治療処置によって生じる身体的苦痛もせん妄に関わっており、痛み、不穏、せん妄は密接にかかわっていると言えます。

日常生活を整える

・入院患者は入院すること自体が特殊な環境下に置かれているので、不安や恐怖などを感じています。

・検査や治療による身体的苦痛などがあります。

このような苦痛や変化に対応することは一般の人でも難しいですよね??

患者が日常を送れるように、非日常の環境であっても、日常を取り入れていくかかわりが重要になってきます。

日常を取り入れる援助とは具体的になにか??

  • 昼は起きて、夜はゆっくり休むように関わる

夜間不眠の場合はなぜ不眠なのかを見極める。

・音や光などの環境的要因

→サーガディアンリズムを整えるか関りをする

・不安、恐怖などの精神的苦痛

・なかには「寝苦しい」「痛みで眠れない」など身体的要因が原因となる不眠もある。

原疾患の悪化や合併症の可能性もあり注意する。

  • 適切な栄養・水分バランスを保持する

・高齢者や認知症患者は水分や栄養の摂取の必要性を理解できない場合がある。

・口渇感があっても気兼ねしている場合がある

・倦怠感や頻尿の不安から摂取を拒む場合もある

脱水や電解質異常になるとせん妄を誘発する要因になるので、ケアが必要。

  • できるだけ患者自身で行う

・日常生活の自律を促し、現所認知の促進や環境への適応を目指す

→達成感はセルフケア能力の向上につながる

・無理なく、少しづつ自立を目指す

→「無理をすればできる」というのは、苦痛や疲労感を覚えてしまう。

環境や負担を考慮しながら援助をしていく必要がある。

家族もチームの一員!!

・使い慣れた日用品を持参してもらう

・患者の情報を引き出し、生活リズムや家での過ごし方を参考にする

・家族と面会することで安心感がある

など家族にしかできないケアもあります。

医療者-家族間の連携によって、快刺激が増え、せん妄予防につながります。

まとめ

せん妄予防はせん妄ケアの大事な柱になってきます。

原因がわからないですが、リスク因子はわかっています。

看護師の経験上「何となくせん妄になりそう・・・」と感じることもあると思いますが、スケールを使用し、「何となく」を客観的に評価できるようにし、多職種との連携を図ることがせん妄ケアに大切になってくることだと思います。

そして、せん妄予防は普段看護者や介護士が行っているケアそのものだとも言えます。

ケアを丁寧に行うことがせん妄予防につながっていると思えば、普段から気を付ける必要がありますね!!

以上でせん妄予防についてでした!!

ありがとうございました<(_ _)>

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