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せん妄とBPSDの区別

精神科看護

はいどーも(^^)/

精神科看護師のささやんです!!

今回はタイトルにもある通りん妄と認知症におけるBPSDの違いについて解説していきます。

曖昧になっている人も多いかと思いますが、しっかり区別することで治療上役に立ちます。

認知症は治らないけど、せん妄は治る!!

これを理解していないと、安易に睡眠薬を使ってせん妄が悪化したり、患者の尊厳が傷つけられたりと言いことはありません。

実際に働いてきた中でも夜間せん妄患者にBZ系の睡眠薬を与薬して悪化したなんてケースもありました。

自分たちが大変な思いをしないためにもしっかりと理解していきましょう!!

せん妄とは

こちらの記事でせん妄については詳しく解説しているので参照してください。

定義としては

「急性に生じた逆性の意識変容、あるいは意識障害」のことを言います。

例えば、言っていることがなんか変だとか、JCSやGCSで評価できることです。

せん妄は多彩な精神症状をきたします。

・認知症の中核症状のような症状:認知機能・記憶力・判断力・見当識の障害

・認知症BPSDのような症状:興奮・幻覚(幻視が多い)・不眠・アパシー(活動低下)

など様々です。

症状は可逆性で変動がみられるため、不可逆性の症状を示す認知症とは異なります。

薬物療法が認知症に与える影響とその機序

・GABA受容体への刺激:ベンゾジアゼピン系などの抗不安薬、睡眠薬

・ヒスタミン受容体のブロック:ジプレキサ・セロクエルなどの鎮静系抗精神病薬

・コリン受容体のブロック:タスモリン・アーテン・ウヴレチドなどの抗コリン薬

上記のようなものにより、鎮静効果が出る。

そのため薬剤性の思考制止(認知機能障害)を呈する。

まとめ

せん妄と認知症の鑑別点を表にまとめると…

せん妄認知症
持続期間数時間から数日潜行性かつ進行性
注意発症早期
注意の集中・維持・転換能力の低下
重度の認知症出ない限り正常
意識
(自分と周囲を正しく認識できるか)
動揺する一般に保たれる
会話支離滅裂整然としているが迂遠
原因何らかの健康上の状態
物質による中毒
薬物の副作用 etc.
脳病変の存在

結論:せん妄と認知症のBPSDの違いとは

・認知症は治らないが、せん妄は根本治療(原因を取り除く)が行われれば治る!

・せん妄は浮動性(良くなったり、悪くなったり)、認知症は不可逆性(悪かったり、とても悪かったり)

「BPSDが落ち着いた」というのは「薬でマスクをしただけ」

・認知症BPSDもせん妄も興奮や幻覚妄想が出てしまえば、どちらも抗精神病薬を使用する。

しかし、せん妄のほうが使用期間が短くて済むことが多い。

・認知症があるとせん妄になりやすいし、せん妄経験者は認知症になりやすい

認知症とせん妄の違いについて理解できたでしょうか??

患者を観察して医者に報告するのは看護師です。

看護師の報告が間違っていると、医者は誤った薬剤の選択をしてしまいます。

せん妄が悪化して被害を被るのは患者のみならず、看護・介護が大変になり、苦しむのは自分たちもです(´;ω;`)

症状や、観察するべきポイント、せん妄と認知症のBPSDを理解して正確なアセスメント、報告できるようにしていきましょう!!

せん妄の記事ではせん妄の見抜き方なども解説していますので、そちらもご参照ください!

ここまでありがとうございました<(_ _)>



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